需要予測 

電力やダイナミックプライシングにおける需要予測の活用事例

需要予測は、民間企業や公共部門が行う意思決定において、様々な場面で活用されることが多くなっています。
今回の記事では、そういった需要予測の各種活用事例についてご紹介します。

過去の需要予測に関する記事はこちら
「需要予測とは〜活用シーンとAI(人工知能)システムの課題〜」
「需要予測の必要性とよく使われる手法について」
「マーケティングにおける需要予測の活用ケース」

電力需要の予測モデル構築の事例

電力需要の現状

電力需要の伸びはIT技術の進展やエアコンの普及などもあり、日本国内にとどまらず、全世界において顕著です。それとともに地球温暖化防止やCO2排出削減など、国際的にも持続可能な環境作りを目指す動きがあり、経済成長とも関係する部分が増えてきています。

2016年1月から始まった国連SDGs(持続な可能な開発目標)の17項目の中には、エネルギー消費や気候変動への具体的な対応と行動が目標として盛り込まれています。日本国内では2018年4月施行から省エネ法でのエネルギー削減の数値目標付きの業種が、製造業、ホテル業、百貨店業などに加え小売業や食品スーパー、賃貸オフィスの不動産業などへも拡大しています。

電力需要を満たす電力供給体制を整備して、エネルギー消費を増大させずに電力の安定供給を行うのか、社会的にも問われています。エネルギー消費削減、個別企業でも省エネ設備の導入などハード面での対応が必要で、エネルギー削減目標の達成、電力の安定供給への寄与も企業としても求められています。

課題

企業活動でのエネルギー消費の一例として身近なものを上げると、コンビニの標準的な店舗では、ショーケース用(冷蔵・ 冷凍用)消費が3割、照明用消費が3割、空調用消費が1割程度と言われています。店舗運営のため電力が欠かせない大規模店舗でも、太陽光発電パネルを使ったクリーンエネルギーの利用も見られ、コンビニエンスストアでも同様の試みが行われるようになりました。

そのエネルギー消費の中でも大きなウェイトを占めるのは電力です。電力消費は非常に季節性に左右されやすいくなっています。典型的には夏場の冷房のため空調・エアコンを動かすための電力消費です。


天候などの自然要因は電力需要の変動を招き人為的に制御できません。停電の可能性もあり、その場合の社会的ロスも増大します。一方でエネルギー消費自体は社会的要請から削減するというジレンマにも直面します。

エネルギー消費削減の設備導入といったハード面での対応に加えて、電力の需要予測を行い、必要な電力需要を事前に把握して、現状設備の的確な運用と削減目標への到達度合いを計るニーズも高まっています。

解決方法

電力需要が高まる時期や天候などの条件を反映したデータを使っての需要予測モデルの構築が可能です。

予測の手法としては電力消費の推移と天候などを含めた多変量での時系列モデル、ニューラルネットワークやディープラーニング(深層学習)などのAI技術も活用されています。

電力使用量の推移を時系列でリアルタイムに可視化して監視体制を構築して、実績と需要予測の推移を比較して予測精度の改善を計ることも可能です。

価格最適化・ダイナミックプライシングの事例

小売・観光業界の現状

一年の中で繁忙期と閑散期がある市場や業種として、航空業界や鉄道などの旅客、観光などでは旅館・ホテル業などが身近なものとして挙げられます。

1日の中で需要が高まる時間帯がある業種として、スーパーやコンビニなどの小売があります。昼間と夜間で利用傾向が立地によっても変動します。

高速道路のロードプライシングもその一例です。道路が混雑する時間帯の料金を値上げして、他の時間帯へと交通量を分散させ、全体として高速道路の利用を均一化を図る試みです。

ここで活用されるのがダイナミックプライシングです。需要の増える時期や時間帯に通常価格より高く価格設定して、閑散期は利用が減るため値下げして供給を増やして利益増を図ります

旅客の場合は、繁忙期に関わらず、年間を通じて遅延無く快適な移動サービスの提供は重要なことです。食料品を販売するスーパーやコンビニなど小売業では、賞味期限や消費期限の短い生鮮食料品を閉店間際の値下げ販売もよく見られます。

課題

企業としてダイナミックプライシングを経営やマーケティング領域で活用するにあたり、売上利益の最大化するイールドマネージメント実現が課題となります。このためには利益を損なわない価格設定の最適化が必要となります。

需要の高まる繁忙期でも利用者の利便性を損なわないサービス供給の量と質を実現する必要があり、需要に沿った供給計画を立てる必要があります。繁忙期であるからといってサービスレベルを下げるようなことがあれば、ユーザー離反やブランドイメージ低下につながりかねず、避けなければいけません。

旅客や観光の場合、夏休みや長期休暇での利用者は増大しますが、事前に予約をする際に利用者が納得する価格提示が必要となります。食料品を販売するスーパーマーケットやコンビニエンスストアの場合は、安売りでの利益減や来店者の多い時間帯に販売できる生鮮食料品の不足するなどの事態を避けなければいけません。需要と供給が一致する最適価格の設定は、全体の利益最大化の上で重要となります

解決方法

販売価格最適化の実際のソリューションについて、具体的な事例をご紹介します。

旅客サービス業のお客様向けには、旅客数、天候、売上、設定価格を時系列データとして、利用時期や傾向についてBIツールを用いた可視化実現と、需要予測モデルの構築をご提案いたしました。

需要予測から、航空業界では先行予約での設定価格が適正かを検証しつつ、価格設定していくPDCA展開も可能です。

需要に影響を与える要因も多種多様であり、自社の売上推移に加え同業他社の価格動向、気温・天候などの自然要因、SNSなど通じて流れる評判や口コミ、人流に影響する社会状況の変化などを考慮した需要予測モデルへのを検討し実際に構築のお手伝いをさせていただいております。

位置情報データを活用した人流予測と商圏での需要予測の事例

位置情報データの現状

スマホや携帯電話からユーザー個人の位置情報や移動状況をGPS、基地局を通じてリアルタイムでデータ取得できており、携帯キャリアから位置情報データの提供を受けることができます。

企業プロモーションやイベントの開催時の人流把握に留まらず、社会状況全体の変化による人流の経済需要へのインパクトも見逃せなくなり、そういった需要予測へのニーズも増えつつあります。

データ鮮度も良く、日単位、時間単位で小地域(125mメッシュ、町丁字等)別の滞留人口把握が可能で、道路単位で自動車、徒歩等の通行者を日単位、時間単位で調査が可能です。特定の施設来訪者の居住地に加え、競合施設の来訪者の居住地についても把握ができます。

課題

位置情報データでは日次や時間単位のきめ細かい分析ができるだけでなく、スマホユーザーの性別・年齢などの属性データ、国勢調査や人工推計、施設や道路などのエリアの地理情報データとも掛け合わせての様々な分析を、課題解決のために分析実行することができます。


小売業では商圏分析、個別の店舗毎の施策立案や、新規出店やイベント集客時の人流推定と経済需要のインパクト予測などの課題ニーズに応えることができます。

公共部門では、都市計画、行政施策、観光施策、災害対策、まちづくり施策の立案での位置情報データの活用が想定されます。例えば、観光客の施設立ち回り状況の可視化と把握から観光シーズンの集客予測での活用に加え、観光客の誘致施策の検討、観光客需要の掘り起こしといった将来施策への活用も可能となります。

解決方法

小売業などマーケティング領域では、自社で保有するPOSデータに加えて、人流位置情報・気象データを用いて、来店者数・特定商品の需要を予測し、エリアマーケティングやセールスプロモーション施策立案のための予測・シミュレーションを実行へとつなげることができます。主要な小売店をカバーするID-POSデータを時間帯別、日次の時系列データとして取得できます。ユーザー位置情報やPOSデータと統合して分析を進めることも可能です。

公共部門などで観光施策への位置情報データの活用を検討される場合は、来訪者の発地分析と旅程、滞在時間、観光スポットの周遊傾向などユーザー行動の可視化ができ来訪ユーザーの属性ベースでの把握なども可能です。観光需要の予測モデル構築を通じて、将来のまちづくり施策立案で活用していただくことも検討できます。

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DATUM STUDIOが需要予測で実現できること

需要予測は、民間企業に加えて政府自治体など公共部門においても、重要なテーマ・課題となっており、適用領域は広がりを見せています。

DATUM STUDIOは、ユーザー需要に対応して的確なタイミングでの訴求と、継続的な価値提供の実現を目指す業務のご支援をAI機械学習ソリューションのご提供を通じて行ってまいります。

需要予測の領域でご活用いただくにあたり、需要予測のPoC(概念実証)段階から、予測のためのデータ取得、予測モデルの構築、その運用や活用に対するサポート、コンサルティングサービスをご提供いたします。

お困り事やご相談がございましたら、 下記の問い合わせフォームよりお気軽にご相談ください。

参考Webサイト:
国連開発計画(UNDP)駐日代表事務所 持続可能な開発目標(SDGs)
https://www.jp.undp.org/content/tokyo/ja/home/sustainable-development-goals.html

省エネ法概要 経済産業省
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/summary/pdf/20181227_001_gaiyo.pdf

民生(業務)分野における温暖化対策技術導入マニュアル 環境省
https://www.env.go.jp/earth/report/h15-07/02_02a.pdf

KDDI IoTクラウド Data Market
https://biz.kddi.com/service/iot/iot-cloud-data/

KDDI Location Analyzer
https://k-locationanalyzer.com/feature/

KDDI × DATUM STUDIO Location Trend
https://www.location-trends.com/

 



DATUM STUDIOは、クライアントの事業成長と経営課題解決を最適な形でサポートする、データ・ビジネスパートナーです。
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