Snowflake Summit 2026 最速レポート Day1
Snowflakeオフィスツアーとセッション・Keynote紹介の3本立て!
こんにちは、ちゅらデータの菊地です。本日もSnowflake Summit 2026の最速レポートをお届けします。
本日はメンロパークのSnowflakeオフィス訪問に、コミュニティ交流、そしてセッションの聴講と、盛りだくさんの一日でした。
まずは、オフィス訪問の様子から。
※Snowflakeの許諾を得て、掲載させていただいています。
目次
- 1 オフィス訪問編:Snowflakeオフィス & Silicon Valley AI HUB
- 2 セッション編:Snowflake Intelligence for Trading and Risk Management(GO204)
- 3 キーノート編:The Agentic Enterprise(Opening Keynote)
- 3.1 オープニング:規模と、顧客・パートナーへの謝辞
- 3.2 顧客が示す「Make AI Real」:Canva・Nestlé
- 3.3 キーメッセージ:The Agentic Enterprise と4つの構成要素
- 3.4 すべての出発点はデータ基盤「AI Data Cloud」
- 3.5 2つの主力:Snowflake Intelligence と Cortex Code
- 3.6 Snowflake Intelligence:自然言語で意思決定を支える
- 3.7 Cortex Code:開発者向けの構築支援
- 3.8 ゲスト(1):Accenture
- 3.9 ゲスト(2):Sanofi
- 3.10 ゲスト(3):Anthropic(Daniela Amodei氏)
- 4 まとめ
オフィス訪問編:Snowflakeオフィス & Silicon Valley AI HUB
オフィスはまるごとウィンター&Snowflakeカラー
まず印象的だったのが、オフィス全体がSnowflakeのブルーと雪・ウィンタースポーツのモチーフで統一されていたこと。壁面アートから会議室の装飾、フォトスポットまで、いたるところにSnowflakeカラーとSnowflakeらしさが散りばめられていました。






働きやすさ抜群のオフィス設備
続いてオフィスの設備まわりをご紹介します。執務エリアは、デスクがすべて昇降式で、ワイドモニターとパーティションが完備されています。集中して働ける環境です。

オフィス内には、フリードリンク・スナックコーナーも。

さらに、見晴らしの良いルーフ(屋上テラス)も。

数ヶ月前にオープンした「Silicon Valley AI HUB」
オフィスに加えて、数ヶ月前にできたばかりという「Silicon Valley AI HUB(SVAI)」のスペースにもお邪魔しました。


充実のドリンクサーバーとランチ
オフィス見学の最後には、社員食堂でランチをいただきました。まず目を引いたのが、ドリンクサーバーの充実ぶり。

中でも印象的だったのが、フレーバーや炭酸の有無を自由にカスタマイズできるウォーターサーバー「bevi」です。

そしてランチがこちら。

Japanコミュニティミートアップ
セッションの前に、SnowflakeのJapanコミュニティミートアップにも参加しました。前日のAPJの集まりの日本コミュニティ版という位置づけで、日本から参加されている皆さんと交流することができました。
セッション編:Snowflake Intelligence for Trading and Risk Management(GO204)
ここからは、Summitのセッションレポートです。
1本目は「Snowflake Intelligence for Trading and Risk Management(GO204)」です。
食品・飲料原料の世界的大手ofi(Olam Food Ingredients)が、Snowflake Intelligenceを使って取引・リスク管理における意思決定をどう変革したかについて、同社でVP, D&Aを務めるSreenivas Bollina氏が解説するセッションでした。


ofiとは
ofiは、Cocoa・Coffee・Dairy・Nuts・Spicesの5つのプラットフォームを持つ、食品・飲料原料のグローバルリーダーで、Starbucks・Nestlé・Fonterra・Lavazzaといった世界的ブランドを顧客に持つとのこと。

静的レポートから「信頼できる意思決定」へ
セッションの中心テーマは、「何が起きたか?」を見る静的レポートから、「今日どんなアクションを取るべきか?」に答える意思決定インテリジェンスへの移行です。
需要・価格・エクスポージャー・調達が同じ時間帯に動くのに、チームは別々のレポートやダッシュボード、Excelをもとに動いてしまう—そこを変えたい、という問題意識でした。メモによると、たとえば全世界の顧客数を把握するのに以前は4〜5日かかっていたものが、現在は即座に取得できるようになったとのことです。

エージェントの信頼性を支える仕組み
AIが実務で役立つのは、すべての回答がガバナンスされたデータとセマンティクスに紐づいているとき—という考え方のもと、信頼性を支える階層が示されました。

信頼は「プロンプトの工夫」ではなく「共有された定義」から生まれる、として、意思決定のための共通言語にも触れられました。

エージェント設計は「意思決定の瞬間」から
各エージェントは汎用チャットボットではなく、繰り返し発生する具体的なアクションにスコープを絞って設計する—そんな考え方が紹介されました。

3つのエージェント:Hedge / Procurement と、その連携
具体的なエージェントの例として、Hedge AgentとProcurement Agentが登場しました。


そして、1つの市場イベントを各エージェントが異なる視点で捉えることで価値が増す、という連携の考え方も。

デモ:コロンビアの10年分の買い付けパターン分析
セッションでは、実際のエージェント画面を使ったデモも行われました。

スケールのためのプレイブック
最後に、エンタープライズでAIエージェントをスケールさせるためのプレイブックが共有されました。

キーノート編:The Agentic Enterprise(Opening Keynote)
続いて、本日のオープニングキーノートのレポートです。
Snowflake CEOのSridhar Ramaswamy氏が登壇し、「The Agentic Enterprise(エージェンティック・エンタープライズ)」をテーマに、製品アップデートと顧客・パートナー事例を一気に紹介するという、非常に濃い内容でした。会場は満員で、熱気にあふれていました。
オープニング:規模と、顧客・パートナーへの謝辞
キーノートは、ヴァイオリンの生演奏と「Turning insight into action(インサイトをアクションへ)」のメッセージで幕を開けました。
今回のSummitは約500セッション、約700名のスピーカー規模とのことです。


続いて、Summitを支えるパートナー企業への謝辞がありました。

顧客が示す「Make AI Real」:Canva・Nestlé
次に、AIを実際のビジネス成果につなげている顧客事例の紹介です。世界最大級のデザインプラットフォームであるCanvaは、毎月およそ2億6,500万人に利用されており、Cortex Analystなどでデータから素早く価値を引き出し、製品の意思決定に活かしているとのこと。
食品・飲料の世界的大手Nestléは、ブランドを多数の国で展開するグローバル企業。データとAIを活用したデジタル変革を進めており、データを事後報告ではなく、リアルタイムの能動的な意思決定に変えていく方向性が語られました。

そして、キーノートを貫くメッセージがこちら。

キーメッセージ:The Agentic Enterprise と4つの構成要素
キーノートの中心メッセージが、この「The Agentic Enterprise」です。
仕事の本質が変わり、データ業務はますますAIと協働して進めるものになり、エージェントがビジネス全体で継続的に動く時代になる—という考え方です。
そのうえで、これを支える4つの構成要素が示されました。

すべての出発点はデータ基盤「AI Data Cloud」
Ramaswamy氏は「すべては企業データの基盤づくりから始まる」と強調します。
データは構造化・非構造化が入り混じり、クラウドや形式ごとに分断されていて、まだAIに使える状態になっていない—その統合こそが出発点だ、という主旨です。
データは「自社を自社たらしめる」最も重要な資産であり、競争優位の源泉だと語りました。

2つの主力:Snowflake Intelligence と Cortex Code
データ基盤の上で動く製品の二本柱が、ナレッジワーカー向けの「Snowflake Intelligence」と、開発者向けの「Cortex Code」です。

Snowflake Intelligence:自然言語で意思決定を支える
Snowflake Intelligenceは、必要なデータにアクセスし、日常的に使うアプリを横断して、自然言語でアクションまで実行できる—という位置づけ。利用者ごとにパーソナルな業務エージェントを持てる点が示されました。

さらに、チームの実際の働き方に合わせた「スキル」を持たせ、業務の中でアクションまで取れる、という構想も。

Cortex Code:開発者向けの構築支援
一方のCortex Codeは、開発者向けに自然言語でパイプラインやアプリを構築・検証・デプロイできる支援ツールです。
会話の中で品質チェックやガバナンス、監視まで行える、という主旨です。メモによれば、これまで約6か月かかっていた移行が6日に短縮された事例も紹介されました。

ゲスト(1):Accenture
ここからはゲスト登壇です。まずAccentureから、AIの野望を実際のビジネス成果へどう変えるかが語られました。成果はP&L(損益)に表れて初めて本物—AIがどのように業務へ埋め込まれ、明確な責任と所有権のもとで回っているかが重要だ、という主旨でした。

Accentureの大規模変革も、強固なデータ基盤の上に業務プロセスと成果を作り込む取り組みとして語られました。欧州のユーティリティ企業でクエリ時間が大幅に短縮し、あるプロジェクトが「12か月 → 12分」、計算時間は約85%減、といった事例が挙がりました。

ゲスト(2):Sanofi
続いて、製薬大手Sanofiのゲストが登壇されました。
R&D・製造・商業にまたがる大規模組織で、まずデータの断片化という課題に向き合い、数千のBIダッシュボードをSnowflakeに統合したとのことです。単純なアプリの置き換えではなく、調達など自社固有の領域に特化した新しいワークフローを構築している点が語られました。

圧巻だったのが、製薬の営業準備をテーマにしたライブデモです。医師に訪問する前に、AIコンシェルジュが事前計画(pre-call plan)を取得し、注目すべき患者状況の要約、初回対面でのアイスブレイクの提案、担当者宛のメール作成まで、実データを使って実演しました。

ゲスト(3):Anthropic(Daniela Amodei氏)
キーノートの締めくくりとなるゲストが、AnthropicのPresident 兼 共同創業者であるDaniela Amodei氏です。
この1年で、AIは「実験」段階から、各社の労働力戦略・コーディング戦略の基盤へと変わった、と振り返りました。背景には、この1年のモデル性能の大幅な向上があるといいます。

印象的だったのが「信頼(trust)は加速装置である」という考え方です。
安全性を作り込み、顧客との信頼を築くことこそが、結果的に速く進むことを可能にする—という主旨です。SnowflakeとAnthropicはともに「顧客にとって正しいことを、責任ある形で行う」点に深くコミットしている、と語りました。
また、Anthropicが5年前にはごく少人数であった規模から現在は数千人規模へと急成長したことにも触れています。

最後にRamaswamy氏が再び登壇し、企業データをまとめ、AIモデルとアプリをつなぎ、ビジネス全体でエージェントによるアクションを展開できること、そしてSnowflakeはどんなAIモデルでも、信頼・ガバナンス・セキュリティを損なわずに企業データ上でAIを使える場であること—そう語って、キーノートが締めくくられました。
まとめ
1日目は、オープニングキーノートで示された「The Agentic Enterprise」という大きな方向性が印象的でした。
企業データを基盤に、AIモデル・業務アプリ・エージェントの調整中枢(Agentic Control Plane)を束ね、Snowflake IntelligenceとCortex Codeで意思決定と開発を支える—そんな構想が、Accenture・Sanofi・Anthropicの事例とともに語られました。
GO204では、その考え方を地で行くように、ofiがSnowflake Intelligenceを「ガバナンスされたデータとセマンティクス」に根ざしたエージェント群として組み立て、Sales・Hedge・Procurementの意思決定を一つの共通言語でつなぐ実践を見せてくれました。
汎用チャットボットではなく「意思決定の瞬間」からエージェントを設計するという考え方は、AIエージェントを実務に乗せたい多くの企業にとって参考になりそうです。