「製造業が推進する“本気”のDX(デジタルトランスフォーメーション)とは」 ~経営と現場の視点で考えるAI / IoT導入のポイント~
2020年12月9日(水)、NTTPCコミュニケーションズ様、マクニカ様との共催ウェビナーにて、DATUM STUDIO株式会社 データサイエンス部 部長の朝倉 高也が登壇し、DX時代のIoT最新データ活用事例について紹介させて頂きました。
※本記事は朝倉の講演パートのみのサマリーレポートになります。
※ウェビナー全編はオンデマンドにてご視聴頂けます。
※ご視聴は、ページ下部にありますリンクからお申し込み頂けます。
2020年12月9日(水)13時30〜15時
【登壇者と講演テーマ】
登壇者①
株式会社NTTPCコミュニケーションズ
サービスクリエーション本部
ネットワークスペシャリスト
大野 泰弘 様
講演テーマ「AI/IoTに必要なプラットフォームをトータルで提供」
登壇者②
株式会社マクニカ イノベーション
戦略事業本部 インダストリアルソリューション事業部
事業部長
阿部 幸太 様
講演テーマ:「DXプロジェクトが抱える根本的な課題」
登壇者③
DATUM STUDIO株式会社
データサイエンス部
部長
朝倉 高也
講演テーマ:「DX時代のIoT最新データ活用事例」
目次
製造業がDX(デジタルトランスフォーメーション)を取り組んでいくためには
デジタルトランスフォーメーション(DX) の推進は、どの業種・業態であっても軽視できないものになりつつあります。特に製造業ではスマート・ファクトリー、スマート・ロジスティクスなどの観点から、業務の効率化や既存ビジネスの拡大のために、AI/IoTを活用したDX化が進められています。
しかし、「DX化が成功している」といえる企業はごく一部にとどまっているように思います。「DX化を検討しているものの、経営と現場の目的意識に乖離があり、なかなか前進しない」あるいは「とりあえずIoTデバイスを導入してみたものの、収集したデータを有効に活用できずにいる」といったケースも多くあるのではないかと考えています。
そこでDX化にお悩みを抱える製造業の方々を対象に、NTTPCコミュニケーションズ様、マクニカ様との共催セミナー・トークセッションを開催し、データ利活用 / IoTプラットフォーム / インフラの各側面から、製造業におけるDX実現に向けた課題と最新事例を紹介しました。
なお、新型コロナウイルス感染症 ( COVID-19 ) の感染拡大防止の観点から、ウェビナー ( オンライン ) 形式での開催となりました。
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DATUM STUDIO株式会社では、データサイエンスを活用してデータを価値に変えることで、企業のビジネス課題の解決を支援しています。既存のパッケージ型ソリューションでは柔軟に対応することが難しい業界や企業特有の課題に対しても、カスタマイズAIの構築・データ分析を行っています。
今回は、IoTの活用事例や、IoT活用における課題・その解決事例、最新の技術動向をご紹介致しました。
IoT(アイオーティー)×AIをとりまく最新事情とは
朝倉:近年、IoTと周辺環境・デバイスの進展により、IoT×AIの事例が増えてきました。
IoTによるAI活用の背景として、従来、ばらばらに貯められていたセンサーデータをネットワークを介して、①一元的な蓄積・管理が可能となったこと、②大容量・スケーラブルなデータ保有が可能になり、AI構築に必要なビッグデータの蓄積が容易になったこと、③データ分析基盤上でのAIを活用した判定結果をリアルタイムに返せるようになったことが要因としてあります。
弊社が実施してきたIoT×AIの取り組みとして、「工場設備の故障検知」「量産品ライン上の不良品検出」「画像を元にした工場作業者の危機察知」など多岐に渡る領域で実際の実用化に至っております。
IoT×AIの取り組みが増える中、AIの導入に対して課題もあります。
よくある課題として、期待する効果に対し、設置したデバイスで取得したデータが十分でなかったり、データの収集に時間がかかることや、設置前のセンサーでは十分な情報を得られるか不明なため十分な計画と⻑期的な取り組みが必要となることが挙げられます。
IoT(アイオーティー)×AI事例について
今回のウェビナーでは、以下3分野でのIoT×AIの最新事例をご紹介しました。
1.IoT × 不具合検出
モーターを製造しているクライアントより、振動センサーデータを用いた品質管理の自動化の事例をご紹介しました。モーターの振動センサーデータを用い、正常品・異常品を自動判別するAIを構築した結果、人の目では判別できなかった異常品も判別することができるようになりました。また、通信ログデータを用いたネットワークの異常検知を実施した事例もお話しました。
2.IoT × 画像認識
タブレット端末、ネットワークカメラの画質向上、ネットワーク環境の進化が進むことにより、AIを用いた画像認識を活用できるフィールドが増加し、より精度の高い画像認識が求められるようになりました。サーモ画像における不良品検知の事例紹介では、クライアントの製造工程において入手出来るサーモ画像から製品の品質を予測し、不良品を予め特定したいという課題背景から、Convolutional Neural Network(CNN)を用いた不良品分類モデルを構築し、不良品予測を実施。高精度に不良品を特定できる分類モデルを構築した事例をお話しました。
3.IoT × 生産・開発支援
機械学習を用いた製品パラメータの効率的な最適化調整の事例をご紹介しました。クライアントより、従来手作業で調整していた製品中の設計パラメータの調整コストを抑えたいという要望があり、機械学習技術を用いた実験計画を行うベイズ最適化を適用して調整の半自動化を目指し、構築しました。結果、職人芸のような人手による調整を排除し、少ない実験回数で効率的に良いパラメータが実現できた事例をお話しました。
これら3事例に共通する課題とは?
朝倉:先程ご紹介した3つの事例には共通する課題があります。それは「データ量が少ない」ということです。取り組み別にデータ量が少ない場合のアプローチ方法をご紹介いたします。
1.IoT × 不具合検出の場合
不具合検知の場合、データ量が少ないケースが多く、一般的な対応方法として、十分な故障データを保有されていない場合では正常データを学習させ、「通常とは異なる稀な挙動」を発見させる「教師なし学習」を用いた異常検知が用いられます。一方で”故障”として判断するための問題設定が重要となるため、適用の仕方を十分に注意する必要性があります。
2.IoT × 画像認識の場合
画像認識の場合では、解決したい課題に対して十分なデータ量が存在するか、解像度・明度・物体の位置は解析したい問題に対し、適切かどうか、データの量と質が重要となります。
多くのケースでは、どちらかが不十分もしくは両方とも不十分な場合であることがあります。
必要なデータ量がない場合のアプローチとして、分析モデルを作成するための画像データを自動的に生成する方法、深層学習(Deep Learning)を用いない単純な画像処理で解く問題に落とし込む方法と画像から異常を検知する問題に置き換える方法の3パターンがあります。
3.IoT × 生産・開発支援の場合
前述のベイズ最適化の例でいくと、新規開発がメインとなってくるため、データが少ない状態が多いです。試行回数を小さくしつつ、パラメータの予測の精度をよくするための特徴量エンジニアリング※が必要となります。このような工程を挟むことで、データがない状態でも実施が可能となっています。
※特徴量エンジニアリングとは
対象に関してのドメイン知識を特徴量としてモデルの中に導入し、精度を上げる工程のこと。
DATUM STUDIOではIoT(アイオーティー)×AI導入支援を行っております。
IoTには様々な課題が存在し、これらの課題に対して、いまもなお様々な研究が行われています。現場課題を解決するのは汎用的なAIではなく、AIを使うデータサイエンティストです。DATUM STUDIOは機械学習、深層学習(Deep Learning)の知見を活用し、様々な企業のIoT×AI導入を支援いたします。
ウェビナーでは、レポートでご紹介した事例のほかに、共催のNTTPCコミュニケーションズ様・マクニカ様のセッション・3社によるトークセッションも公開しました。ウェビナー全編の詳細レポートおよびアーカイブ動画のご視聴は、NTTPCコミュニケーションズ様のサイトより可能です。
<<ウェビナー詳細レポートおよび全編の動画視聴はこちら>>
レポートはこちら→https://www.nttpc.co.jp/gpu/article/report10.html
全編の動画視聴はこちら→https://dm.nttpc.co.jp/lp/videodl_webinar1209.html
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