Snowflake Summit 2026 最速レポート Day2データエンジニアのためのAIコーディングエージェント—Snowflake CoCoの最新機能まとめ | DATUM STUDIO株式会社
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Snowflake Summit 2026 最速レポート Day2
データエンジニアのためのAIコーディングエージェント—Snowflake CoCoの最新機能まとめ

はじめに

DATUM STUDIO データエンジニアリング本部長の菱沼です。

Snowflake Summit 2026 3日目(2026年6月4日)は、セッション WN203Tに参加しました。タイトルは「What’s New: Swiftly Take Your Ideas to Production with Snowflake CoCo」。登壇したのはSnowflakeでCoCoプロダクトを担当するProduct ManagerのAria AttarさんとAlan Yuさんです。

CoCoは旧称「Cortex Code」から改名されたデータエンジニアリング特化のAIコーディングエージェントで、Snowflake Summit 2026では同社史上最速の成長を記録する製品として大きく取り上げられました。

本セッションは、市場背景の整理から最新機能の詳細デモまで、約20分にわたって展開されました。

コーディングエージェントの現在地

まず、コーディングエージェントを取り巻く市場環境を数字で示しました。


Agentic Coding Is Becoming Mainstream
The category has moved from autocomplete to delegation: agents read repos, edit files, run tests, and open PRs

統計数値出典
AIツールを日常的に利用する / 予定のある開発者85%Stack Overflow Developer Survey 2025
生産性向上を実感しているエージェントユーザー69%同上
エージェントの精度・ハルシネーションを懸念しているユーザー87%同上

コーディングエージェントは、かつての「オートコンプリート」から「委譲(delegation)」へとパラダイムシフトしました。

エージェントがリポジトリを読み、ファイルを編集し、テストを実行し、PRを開く—という自律的な作業が当たり前になりつつある一方、87%のユーザーが精度とハルシネーションに対して懸念を持っています。

“Adoption is no longer the blocker — context, controls, and trust are”
採用率は、もはや問題ではない。課題はコンテキスト、コントロール、そして信頼性だ—というのが登壇者からのメッセージです。

DATUM STUDIOでも全社員にClaude Codeを配布し、プロジェクトによってCoCoとの併用をしています。

データチームに汎用エージェントでは足りない理由

汎用コーディングエージェントの限界として挙げたのは、次の3点です。

汎用エージェントの課題データチームが本当に必要なもの
1コーディングタスク向けに設計されているパイプライン・変換・データエージェント向けの専門ワークフロー
2コンテキストがコードリポジトリに限定されるSnowflakeとその他データシステムのコンテキスト
3RBAC・ガバナンスの実装が複雑ビルトインのガバナンス

ソフトウェアエンジニアリングでは「正しい答えが複数ある」ことが多いですが、データエンジニアリングでは違います。パイプラインを誤ったデータで構築すれば、ビジネス上の損害に直結します。データチームには「正確さ」の基準が、根本的に異なるエージェントが必要です。

たとえば、汎用コーディングエージェントでデータ基盤構築をする場合、まず最初にSnowflakeなどDBがある場所につなぐためのMCPやCLIのセットアップから始まり、ついで、DBごとのSQL構文を理解させるためのドキュメントやスキルを追加していく必要があり、十分な精度を得られるまでの準備作業は想像以上に必要とされます。

Snowflake CoCo:データのためのAIコーディングエージェント

CoCoが掲げる3つの価値は、次のとおりです。

1. Accelerates End-to-End Development(エンドツーエンド開発を加速):
データエンジニアリング、機械学習、エージェント構築のタスクを会話で完結させます。

2. Understands Your Enterprise Data Context(エンタープライズデータの文脈を深く理解):
データ、コンピュート、ガバナンス、スタック全体の運用セマンティクスを深く把握しています。

3. A Governed Agent That Works Wherever You Build(ガバナンスされた、どこでも動くエージェント):
SnowflakeのRBACで管理され、Snowsight・IDE・ターミナル・既存ツールを横断して利用できます。

CoCoが対応するデータライフサイクルは広範です。

SaaS Apps・Databases・IoTなどのデータソースから始まり、非構造化→構造化の処理(Governanceを基盤に)を経て、AI &Agents・Machine Learning・Apps・Analyticsの各消費形態まで、データ基盤で発生するタスク全体に対応しています。

Data-Native Agent Harness:なぜCoCoは正確なのか

CoCoの精度の秘密は「Data-Native Agent Harness」というアーキテクチャにあります。

Live Schema Injectionでスキーマとサンプルデータをリアルタイムに取得し、Agent Context Layerで製品知識をシステムプロンプトに注入、Environment StateでRBACやランタイム情報を把握する—この3要素が「曖昧な環境でも正確にタスクを遂行する、Tool Space」を実現しています。

ただ、上記のような強力なハーネスが作用する分、トークン消費量も比較的大きいように見え、高い精度による手戻りの少なさによって得られる効率と、実際にかかる費用のモニタリングはしばらく必要であると思えます。

ベンチマーク:データエンジニアリングでの圧倒的な精度

CoCoの性能は、正直抜群です。性能は数字が証明しています。

ADE Bench(dbtが開発した実世界のデータエンジニアリングタスク評価フレームワーク)のPass Rate:

エージェントPass Rate
CoCo(Snowflake)72.1%
Claude Code65.1%
Codex(OpenAI)65.1%

さらに、ここ最近では効率面がどんどん改善されてきています(vs Claude Code using Opus 4.7):

  • トークン使用量:
    51% 削減(Targeted vs. Exhausted—網羅的スキャンではなく的を絞った探索)
  • 実行時間:
    約1時間短縮
  • Data-Native Approach
    Snowflake、dbt、Airflowなどデータネイティブなツールを活用し、bashツールへの過度な依存を排除

このあたりのコスト効率の改善は、Snowflakeのウェアハウスが勝手にパフォーマンス向上していくのと同様に、期待大です。
現状の効率でも、他ツールと比べて十分な水準にあることから、とりあえず予算を決めて使い始めてみる、というくらいの気持ちで導入できそうです。

CoCoの成長軌跡

CoCoは、2025年11月にCLIとして誕生してから、わずか半年で急速に進化してきました。

時期主なリリース
Nov 2025Snowflake CoCo CLIリリース
Feb 2026dbt & Apache Airflow サポート / CLIセルフサービスサブスクリプション / Claude Opus 4.6・Sonnet 4.6・GPT 5.2対応
Mar 2026Snowflake CoCo in Snowsight GA / CoCo CLI Windowsサポート / Agent Team
Apr 2026AWS Glue・Postgres・Spark サポート / MCP Connectors & ACPサポート / VS Code Extension / Claude Code Plugin / Claude Opus 4.7 & GPT 5.4(PuPr)

そして今回のSummit 2026で、さらに大きな飛躍が発表されました(詳細は後述)。

7,100+顧客が証明するROI

GA(2025年2月)から約5ヶ月間で、7,100以上のアカウントがCoCoを利用しています。

  • Thomas Podenski(TS Imagine, COO)
    “Using CoCo, our data engineers are submitting 5x more pull requests, and work that used to take three to four days is now done in two to three hours.”
  • ・Maddy Want(Fanatics, VP of Data)
    “Engineers who used to spend days untangling pipeline issues and modeling data can now resolve those problems in hours.”
  • Trent Foley(evolv Consulting, CTO)
    “We saw the ROI almost immediately. CoCo delivered over 500 hours of time savings—roughly $100,000 in value—within the first 20 days of adoption.”

今回の発表:2つの軸

Summit 2026での新発表は、大きく2軸に整理されます。

  1. 1.Use CoCo—Where You Work Today(今いる場所でCoCoを使う)
  2. 2.Build On CoCo—Programmatically. Your way.(CoCoの上にプログラマティックに構築する)

【1】Use CoCo:今いる場所でCoCoを使う

既存のサーフェス

現時点でCoCoが利用できる環境は、すでに4種類あります。

サーフェス説明
1CoCo CLIターミナルからフル機能のエージェントループを実行
2CoCo in SnowsightSnowflake UIに統合。SQLエラー修正などが今すぐ試せる
3CoCo Extension for VS CodeVS Code内でCoCo体験(PuPr)
4CoCo Plugin for Claude CodeClaude Codeプラグインとして利用(GA)

新発表:CoCo Desktop(GA間近)

今回のセッション最大の目玉は、CoCo Desktopの発表です。ネイティブデスクトップIDEとして、データスタック全体にわたるフルなエージェント開発体験を提供します。

3つの特徴:

1.  One governed surface to build across data stack
データパイプライン、アプリ、エージェントの構築、ノートブックのデバッグ、データフローの可視化—すべてCoCoの1つの画面で完結します。

2. Run agent on schedule, not just on demand
キーボードから離れていても、スケジュールでタスクを実行し、マルチステップワークフローを継続できます。

3. Extensible by design
MCP統合と共有可能なスキル / プラグインによって、ベストプラクティスをチームの再利用可能な知識資産に変えます。

デモ(1):アプリをCoCo Desktopでビルド

1つ目のデモとして、CoCo Desktopから自然言語でFinance Dashboardアプリを構築する流れが実演されました。

プロンプトを入力するだけで、データソースの探索・テンプレートの利用・依存関係のインストール・サーバーの起動・ブラウザでの検証まで、一連のフローをエージェントが自律的に実行していました。

デモ(2):dbtパイプラインをCoCo Desktopで管理

CoCoのユーザーから最も多く寄せられていた要望が「dbtとのシームレスな連携」でした。CoCo Desktopはローカルのdbt環境を自動的に検出し、複雑な設定なしに接続します。

デモでは、dbtプロジェクトを開いた瞬間にSnowflake Managed接続が自動適用され、dbt runの実行・SQLの確認・データリネージの可視化まで、CoCoとのチャットで完結する様子が実演されました。

CoCo in Snowsightでも新機能

CoCo Desktopとは別に、既存のSnowsight上でもすでに利用できる最新機能が追加されています。

  • SQL Author(新スキル)
    SQLの記述・修正をCoCoが支援
  • MCP Connectors
    Snowsight内で、CoCoがお気に入りのMCPコネクタに接続可能
  • Auto Navigation to Pages
    必要なページへ、CoCoが自動でナビゲート
  • Snap and Ask
    グラフの異常を発見したら、クリックするだけでCoCoに渡して分析

ガバナンス強化:コスト管理・セキュリティ制御の継続的な改善

Skills&Plugin Sharing:個人の生産性を組織の資産に

スキルを組織全体で共有・管理するためのSkills Catalogが発表されました(現在Private Preview)。

4つの特徴:

特徴内容
Frictionless Sharingリンクでスキル / プラグインを共有。どこにでも貼り付けてすぐ使える
Intelligent Discovery質問すると、プラットフォームが適切なスキルを見つけてインストール・起動
Enterprise GovernanceRBAC・自動セキュリティスキャン・管理者認定をビルトインで提供
Available EverywhereCoCoとCoWorkの両方で動作

個人の生産性向上が、組織全体のレバレッジへと複利的に積み上がる仕組みです。
このあたりは他社の汎用エージェントでも一部ありますが、より細かい制御が出来そうだということで、一気に本命に躍り出そうな風格がありました。

Cloud Agents:SnowsightがCLI相当の実行環境に

これまでCLIとSnowsightの間には大きな実行能力の差がありました。

CLIではシェルスクリプト・Python・dbtなど任意の処理を実行できる一方、SnowsightのCoCoは計算リソースが限られていたためです。

Cloud Agentsはこの差を解消します。セッションごとにコンテナをスピンアップし、CLI 相当のフル実行能力をSnowsight上で提供します。

特徴内容
Zero Installationインストール不要・秒単位でコーディング開始
Isolationユーザーごとに専用コンピュートを割り当て
Persistenceログアウト後も、タスクが継続実行される

対応する処理:

  • Web search
  • File read / write
  • dbt execution
  • Bash Command execution
  • Python script execution

これにより、たとえばdbt runをSnowsight内のCoCoから直接実行することが初めて可能になります。

ここまで聞いて、社内Slackで歓喜の叫びを上げていた私ですが、冷静に考えて、一体これにいくらコストがかかるのかドキドキで、夜も眠れません。
Cloud Agentは今後も注目して、追いかけていこうと思います。

CoCo Mobile App & CoCo Slack Bot(PuPr間近)

モバイルとSlackからもCoCoを操作できる機能が間もなくPublic Preview(PuPr)に入ります。

CoCo Mobile App(PuPr間近)
通勤中にジョブを起動し、完了時に通知を受け取る。あるいは、モバイルからセッションを再開する—ローカルPCが手元になくても、バックグラウンドタスクを継続管理できます。

CoCo Slack Bot(PuPr間近)
Slackから質問・ワークフローの起動・出力のレビュー・タスクのブロック解除など、日常のワークフローに自然に組み込めます。

【2】Build On CoCo:エージェントプラットフォームとしてのCoCo

CoCoは単なる「使う」ツールを超え、エージェントプラットフォームへと進化しました。

CoCo Agent SDK

CoCoを動かしているのと同じエンジンを、自分のアプリケーション・パイプライン・バックエンドサービスに組み込める、CoCo Agent SDKが提供されます。

3つのユースケース:

1.  Build Production Grade Agents(プロダクション品質のエージェントを構築):
数千の顧客が使うCoCoを動かしているのと同じエンジンで、複雑なマルチステップのデータワークフローを自前のアプリで実行できます。

2.Embed CoCo Into Any Application or Workflow(任意のアプリ / ワークフローにCoCoを埋め込む):
SDKを呼び出すだけで、CoCoのエージェント機能をアプリケーション・パイプライン・バックエンドサービスに、直接統合できます。

3. Ship Agents With Safeguards Enterprises Expect(エンタープライズが求めるガードレール付きでエージェントを出荷):
スコープ付きパーミッション・型付きJSONアウトプット・ライフサイクルフック・MCP統合—プロダクションのガードレールが、最初から組み込まれています。後付けではなく。

SDKの構成要素:

  • Model Context Protocol (MCP) Server
  • Agent Client Protocol (ACP) Support

ここまで来て、フルスクラッチでエージェントを作る機能が発表されました。

これが来てしまったので、今後のデータエンジニアの仕事は、正直CoCo Agent SDKで自分の仕事をするエージェントを開発することに変わってしまいそうです。

Summit 2026発表まとめ

Summit 2026でのCoCoの新発表を、一覧にまとめます。

機能ステータス
CoCo DesktopGA 間近
Cloud Agents(Snowsight)GA 間近
Skills CatalogPuPr
CoCo Mobile AppPuPr 間近
CoCo Slack BotPuPr 間近
CoCo Agent SDK提供中

所感

CoCoがただの「Snowflake向けコード補完ツール」から、データエンジニアリングのフルスタックAIエージェントプラットフォームへと、完全に脱皮したことが明らかとなったセッションでした。

特に、印象的だった点を3つ挙げます。

1.  ベンチマーク数値の公開
ADE Benchでの72.1%という数値、およびClaude Code / Codexとの比較は、具体的かつ誠実なアプローチだと感じました。dbtが設計した「実世界のデータエンジニアリングタスク」に特化した評価基準であるため、データチームにとって非常に参考になります。

2. CoCo Desktopのdbt自動検出
設定ファイルを書かずにdbt環境を認識するデモは、「開発者体験を犠牲にしないガバナンス」を体現していました。dbtユーザーにとって最大の障壁の1つだった「環境構築」をエージェントが肩代わりする体験は実用的です。

3. SDK公開によるプラットフォーム化
「CoCoを使う」から「CoCoの上に作る」への転換は、Snowflakeのエコシステム戦略として大きな意味を持ちます。自社のデータパイプラインや社内ツールにCoCoのエンジンを組み込めるようになることで、Snowflake上のカスタムAIエージェント開発が一気に民主化されます。

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