Snowflake 

Snowflake Summit 2025 最速レポート1日目④
-セッション編-

はじめまして、ちゅらデータの菊地です。
この度、Snowflake Summit 2025の情報を皆さんにお届けするべく、最新レポートの執筆を担当させていただきます。

会場の雰囲気

Snowflake Summit 2025が開幕し、会場は早朝から多くの来場者で賑わいを見せていました。各ブースや展示エリアは「データクラウドの世界観」を体現するデザインで統一され、技術カンファレンスでありながらもエンタメ性に富んだ空間が広がっています。

▲ Snowflakeトラックが象徴的に配置された展示エリア
▲ 多くの来場者が行き交う様子
▲ スキーのジャンプを競うSNOWFLAKE SKI JUMP
▲記念に撮影していただきました

Improve Your Snowflake Data Quality and Readiness for Analytics and AI

このセッションでは、Snowflake環境におけるデータ品質とガバナンスの課題に対し、AIエージェントを活用したアプローチが紹介されました。

▲ AIの要求と現実のデータ提供スピードのギャップ

冒頭では、AIが求めるスピード(モデルの構築は日次、特徴量の更新は週次、予測は秒単位)に対し、実際のデータ提供には数週間を要する現実とのギャップが指摘され、「Data Management is having its ChatGPT moment」と、データ運用の変革が強調されました。

▲ Data Managementは、ChatGPT的な転換点を迎えている

紹介された「Agentic Data Management(ADM)」は、データ品質、ガバナンス、パイプライン健全性、コスト最適化、セキュリティといった役割に特化したAIエージェント群を、xLake Reasoning Engineが統括する構造です。

▲ マルチエージェント構成によるAgentic Data Managementの概念図

それぞれのエージェントが異常検知やギャップ分析、ポリシー自動生成といった処理を独立して担いつつ、連携して動作する点が大きな特長です。たとえばデータ品質エージェントは、品質カバレッジの目標を入力するだけで、異常箇所を検出し、改善方針をプランニング、ポリシーを作成・施行し、進捗をモニタリングします。

▲ データ品質エージェントの具体的なフロー

SnowflakeとAcceldataの統合により、エンドツーエンドでデータ可視化と信頼性向上を実現できます。構成要素全体を俯瞰するインフラ図も紹介されました。

▲ Acceldata + Snowflake統合の全体像

導入効果も具体的に紹介されており、インシデント40%削減、クエリパフォーマンス30%向上、クレジット消費25%削減という数値が提示されました。

▲ 効果:インシデント減少、パフォーマンス向上、コスト削減

デモパートでは、チャットインターフェース上でのポリシー作成・編集、ダッシュボードへの切り替え、失敗ポリシーの可視化などが実演されました。実際に最も使用されているテーブルとアラートの件数を確認できるなど、実務への応用を強く意識した構成でした。
また、バックエンドでは用途ごとに設計されたエージェントが稼働しており、各エージェントの役割や構成も紹介されました。メタデータ管理やプロファイリング、コンプライアンスチェックなど、それぞれの得意分野に応じた動きが可能となるようです。

▲ 最も利用されているテーブルとアラート統計
▲ エージェント設定画面:用途別に構成された管理エージェント群

最後に、AIエージェントが裏側で支える次世代のデータ運用、その“自律性と拡張性”を感じられるセッションでした。

Getting Started with AI Agents

今回のセッション「Getting Started with AI Agents」では、AIエージェントを業務に取り入れるうえで、何から始めればいいのか?という素朴ながら本質的な問いに対して、非常に実践的なヒントが詰まっていました。

冒頭で強調されていたのは、“エージェントは魔法の杖ではない”という事実。適切なユースケースを見極めることが、成功の第一歩とのこと。製造業では在庫管理、金融ではローン申請やサポート、医療分野では治験や事前承認プロセスなど、業界ごとの特性に応じた導入例が具体的に紹介されていました。

▲ Tip #1:業界別に整理されたユースケースのマトリクス。どの業務にエージェントが適しているかの視点は非常に参考になる。

さらに印象的だったのは、AIエージェント、LLM、ルールベースのワークフローの違いを丁寧に比較していた点です。会場でも「なるほど!」という頷きが多く見られました。それぞれ得意分野が異なるからこそ、「全部エージェントで解決しよう」と考えるのではなく、課題に合わせて適材適所で活用する視点が大切です。

▲ Tip #2:エージェント・LLM・ルールベース、それぞれの得意分野と特性を比較。導入判断の指針となるスライド。

次に触れられたのが、データの整備についてです。

「どこにデータがあるのか?」「抜け漏れはないか?」「いつ更新されているか?」といった点を事前に確認することで、エージェントが“仕事をしやすい環境”を整えることができます。

▲ Tip #3:整備されたデータがあってこそ、エージェントは真価を発揮する。

そしてもう一つ、忘れてはいけないのが“トレーニング”。エージェントは導入した瞬間から完璧に動くわけではなく、まるで新入社員のように、業務を通じて学習させる必要があります。

▲ Tip #4:“訓練”は人にもエージェントにも必要。エージェントを使いながら育てる視点が重要。

最後に、Elementum が提供する Snowflake上に構築された自動化プラットフォームについて。既存のデータを活かしながら、エージェント、LLM、ルールベースの処理をノーコードで統合が可能との紹介がされました。

▲ AI Workflow Automation:あらゆる構成要素を一元管理するElementumの全体像。

現場のメンバーにとっても具体的なイメージを持てる、学びの多い内容でした。
AIエージェントを“どのように導入するか”を迷っている方とって、まさに最初の一歩として最適なセッションだったと思います。

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