スポーツファンの顧客分析基盤に
『Snowflake』を活用
DATUM STUDIOはKDDI株式会社(以下、KDDI)と共同で、スポーツチーム様のデータドリブンなファンマーケティングの取り組みを支援致しました。スポーツチーム様が所有する既存ファンの1st Party Dataと、DATUM STUDIOのグループ会社であるSupershipが所有する3rd Party Dataを連携させることで、ユーザーのロイヤルティを高い精度で分析し、定量的に把握できる環境を構築致しました。
本記事では、Snowflakeを活用したスポーツDMPの事例を紹介致します。
課題 :ロイヤルティごとのユーザー把握
クライアントであるスポーツチーム様は、元々チケット購入・スタジアム来場者数等のデータを保有されていました。「既存ファンのロイヤルユーザー化」を実現するためには、ユーザーごとのロイヤルティとその数を把握する必要があり、本プロジェクトではデータのセグメント化による整理、顧客ランクの定義を行いました。
加えて新型コロナウイルス感染症による、情勢の変化に対応した新たなホームスタジアム集客促進のための施策の立案・着手も重要な課題でした。
プロジェクト全体イメージ
取り組み1 :ID統合とデータのセグメント化を行い
『Snowflake』でDMP構築
ECに関連するものも含めてスポーツチーム様が保有されていたデータをIDで統合し、260以上のセグメント化をすることでCDP環境を整備しました。併せて、スポーツチーム様保有のデータを管理できるKDDIのスポーツDMPを構築しました。このスポーツDMPのDWHにはSnowfalkeを活用しており、データの自動取り込みやデータ処理フローをSnowflakeのみで構築しています(Snowpipe、Taskを活用)。
データ処理に統合したIDを使用することで、個人情報を取り扱うことなく機械学習で顧客のロイヤルスコアを算出することが可能となりました。また、3rd Party DataであるSupershipのパブリックDMP「Fortuna(フォーチュナ)」のデータを紐付けて分析することにより、ユーザーの趣味・嗜好性を把握し、顧客ランクごとのペルソナ像を把握できるようになりました。
取り組み2 :顧客ランクのスコアリング算出によりプラニング精度を改善
顧客ランクをスタジアムの来場回数、グッズの購入金額の閾値を設定し管理ができるよう設定することで、
・スタジアムへの来場頻度を高める施策のターゲット
・グッズ購入を促す施策のターゲット
・シーズンチケットの購入を促す施策のターゲット
といった施策の目的と優先順位に応じて、狙うべきターゲットの設定とランクごとの顧客ボリュームを定量的に把握することで、施策の精度を高めることが可能となりました。
取り組み3 :Tableauで構築したダッシュボードにより意思決定を迅速化
BIツール「Tableau」にデータを連携することで、「来場者数の推移」「対戦チームごとの来場者数の比較」「顧客売上単価の推移」といった顧客ランクごとの定量的なデータをほぼリアルタイムに把握できるようになったことで、施策実施までの意思決定の迅速化を可能としました。また、顧客データと3rd Party Dataを掛け合わせたデータも「Tableau」に連携しているため、各顧客スコアのユーザーの興味・関心やWeb上での行動も把握できます。これらの環境を構築することで、スポーツチーム様の社内にてデータ分析を完結できるだけでなく、工数を大幅に削減することで、打ち手となる施策をスピーディーに実行いただけるようになりました。