課題 :膨大な視聴データ
テレビ以外の様々なデバイス経由でのコンテンツが視聴されるようになり、新たな顧客価値・体験向上に向けて、データドリブンな取り組みが必要なものの、スカパーJSAT株式会社で取り扱う視聴データの量は膨大であり、サーバーコストや分析に時間がかかることに直面していました。
特に問題となったのは、併視聴率のような複数の条件を組み合わせた分析であり、1日分のデータを画面に出力する際、クエリ内では直積によって数億件のデータが発生しており、1日分の条件表示に1時間以上かかるような事態を招いていました。
アーキテクチャの変更を伴わないパフォーマンスチューニングや調整を行ったところ、表示可能なデータ量が1日分から3日分に増加し、画面表示に要する時間も数十分になったものの、本質的な問題解決には至ってはいませんでした。
また、視聴動向分析の性質上、アドホックに行うことが多いため、利用時間も定まらず、常にハイスペックな環境を用意しておくコストは問題となっていました。
既存アーキテクチャの概要と取り組み
取り組み :Snowflake導入によりアーキテクチャの変更を最小限に
この課題解決にあたりDATUM STUIDOは、ソリューション選定を行い、既存DWHをSnowflakeに移行する提案とその導入支援をさせていただきました。
Snowflakeは瞬時にウェアハウスが起動し、さらにクエリが終了すると共にウェアハウスも停止するため、発生するコンピューティングコストの対象が「実際に利用したデータ量」のみとなり、コストの最適化が図れるものとなります。
また、BI(Tableau)との連携においても既存DWHのクエリとの交換性が高い点やサーバ環境もスムーズに移管できることから、アーキテクチャの変更は既存DWHをSnowflakeに移管するだけに最小限に留まりました。
成果 :BIのパフォーマンスを30倍、コストを1/3にまで削減
既存DWHをSnowflakeに移管したことで、BIの画面は2週間分のデータを1分以内に表示されストレスなく利用できることとなり、そのパフォーマンスは大幅に改善され、約30倍に達するものとなりました。また、BIのパフォーマンスがこれだけ向上しているのに関わらず、年間のコンピューティングコストを1/3に削減することとなりました。
現在では、BIだけでなく、snowflake上にある視聴データを活用し、様々な分析を行い、顧客の視聴行動を踏まえたリコメンドなどのCRM施策への活用など、新たな顧客価値創出に向けて幅広く取り組んでいます。